連載『がんを生き抜く』その38

私自身、がんの患者会に席を置くなかで、高額な治療費のために先端的な自由診療を断念する人を何人もみてきた。がん治療に関していえば、酷な話だが、‫” お金で命を買う”現実が、確かにそこに存在するのだ。

日本人は、高度に整備された健康保険制度のおかげで、医療は極力低額であるべき、できればタダであるべき、という意識を持っている。実際、一般的な病気に対する日本の健康保険制度は本当に高度で、世界的にも1、2を争う充実した保障を提供している。しかし、急加速して進化を続ける先端的がん治療に関していえば、残念ながら制度そのものがまったく追いついていない(この問題に関して書き続けると、それだけで1冊の本になってしまうほどだ。興味のある方は、前著『医者の言いなりにならない「がん患者学」』(講談社+α新書)をご一読いただきたい)。

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