連載『がんを生き抜く』その37

保険と社会保障

がんは長期戦を強いられる。

特に彼女の場合は、下半身麻痺という重篤な障害まで背負うことになった。がんと就労の問題については、前著『医者の言いなりにならない「がん患者学」』(講談社+α新書)でも少し述べさせてもらったが、彼女の場合は絶対安静なので、仕事もできなければ収入もない。

しかし、彼女の病状を考えると、やはり大部屋というわけにはいかない。病気と闘うために個人が必要なものは、結局は強い精神力とお金なのだ。

そんな彼女を側面から支えてくれたのが、生命保険とがん保険である。まさか、自分が使うことになるとは思っていなかったようだ。がん保険などは付き合いで入っただけで、つい最近も解約するつもりだったそうである。

最終的には、彼女の退院には8か月半という長い年月が必要となった。その間、彼女を経済的に支えてくれたのは、若いうちに母親がかけてくれていた生命保険だった。長期間の入院に対しても保障が出るタイプのもので、これにより、経済的には安心して入院生活を送れたことは、精神面でも大きな支えになったようである。さらに、この章の後半で先端的自由診療を受ける選択をする彼女にとっては、大口のがん保険がどれだけ役に立ったのか、計りしれない。

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