連載『がんを生き抜く』その21

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彼女へのこの治療法は、現状の標準治療ではベストの選択だと思われる。主治医の先生に感謝した。

タルセバは、有名なイレッサ(一般名:ゲフィチニフ)と同じように作用する分子標的薬である。通常の抗がん剤とは作用の仕方が異なり、がん細胞に特異的に作用するようにつくられている。「特異的」というのは、がん細胞だけを狙い打ちにするということだ。

正常な細胞もがん細胞も、分裂して増殖するときに「増殖しろ」という命令を受け取る「受容体(レセプター)」というアンテナのようなものを、細胞表面に出している。一方、EGF(上皮成長因子)は代表的ながん細胞の増殖因子のひとつで、非小細胞肺がんの患者さんのなかには、このアンテナがEGFにピッタリ合うように遺伝子が変異してしまっている場合があり、それがEGFR(Rはレセプターの頭文字)である。

この場合、このアンテナ=EGFRを塞いでしまい、「増殖しろ」という信号を阻害してしまえば、がん細胞は増殖できなくなる。イレッサもタルセバも、こうした原理で働く薬である(厳密にはもっと複雑だが、このように考えて差し支えないだろう)。

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