連載『がんを生き抜く』その20

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悪性の脳腫瘍(グリオブラストーマ)などは、脳内を無秩序に浸潤していき、正常細胞との境がないため治療が難しい。ところが、一般的ながんの脳への転移は、血管の内壁にこびりついたがん細胞が増殖を始め、血管内皮を広げる形で大きくなる。そのため、悪性の脳腫瘍のような脳内への無秩序な浸潤や転移は起こさない。つまり、脳への転移に関していえば、局所治療で対処できるのである。現在では「γ(ガンマ)ナイフ」といわれる多方向から放射線をあてる装置などで、副作用を抑えつつ脳への転移を治療できる装置も普及しているのだ。

数日して、彼女にはEGFRの遺伝子変異が陽性であることが、主治医の先生から告げられた。すぐに、タルセバ(一般名:エルロチニブ塩酸塩)での治療を始めることが、告げられたのだ。

なお、同時に調べていたEML4-ALKの遺伝子変異は陰性だった。EGFRとEML4-ALKの遺伝子変異が重なることは、通常ない(この件に関しては、発見者の間野博行先生の講演会の際に、先生に直接聞いている。これについては話が複雑になるので、本書ではこれ以上触れない)。

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