連載 『進行がんを眠らせる』 その270

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この本こそが、私の知りたかった「なぜ?」に迫っている一冊でした。そして、その後に出合った数々の書物も、分子生物学者、薬学者や生化学者、そして医学の基礎研究に携わる人たちが著したものでした。

新しいがん治療のヒントは、どちらかというと医療の現場から少し離れた、基礎的な科学に隠されているのではないか? このような思いから、私自身のがん研究が始まったのです。

そして、免疫細胞療法を受けた父の病が峠を越えたころから、私はがんで苦しむ患者さんや家族のために、自分の疑問に答える形の本が書けないだろうかと考えるようになりました。

もともと執筆は、私の仕事の一つでもありました。書くという作業は経験者ですが、がんについては、その限りではありません。医師でない私が、この本の書き手となることに対して、もっとも強く抵抗感を感じていたのは私自身でした。しかし、同時に、「だれかが、科学者と一般の人とのあいだの通訳にならなければならない」という強い使命感も感じたのです。

本書は、一般的ながんの話から、免疫学、分子生物学…と守備範囲を広くとらねば出来上がらなかった一冊です。執筆にあたっては、江川滉二先生をはじめ、瀬田クリニックグループの医師やスタッフの方々に、ひとかたならぬお世話をいただきました。

とりわけ、院長の後藤重則先生は、心強い協力者として私を支えてくださいました。先生のご協力が得られなかったなら、本書を上梓することはとても叶わなかったろうと思います。外科の豊富な経験と、化学療法の専門医でもあり、なおかつ免疫学の研究者でもある後藤先生は、本当に貴重なアドバイザーでした。

さらに、医師でもない私が、この本を書くにあたり、陰ながら心の支えとなっていただいた山形大学名誉教授の藤原義久先生(がん患者の集い「モミの木」代表世話人)にも、紙面を借りて心よりお礼申し上げます。

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