連載 『進行がんを眠らせる』 その256

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一般的な科学において、統計的な手法は思考を整理するうえで重要な役割をもちます。たとえば、Aという薬とBという薬があって、効果の高いほうを選ばなければならない場面に遭遇したとします。

判断に迷ったときは、統計的な資料が役に立つことは事実です。そして、統計的にAのほうに高い効果が期待できるとわかれば、当然こちらを選択するでしょう。しかし、厳密な意味でいえば、それは科学的な理論にもとづいて選択したというわけではないのです。

私は疫学的な研究や指標を否定するつもりはなく、むしろ、病気の治療効果を検証する際には非常に重要な指標になると思っています。ただ、疫学的統計結果を基にしたものだけを科学的証明するのにはいささか抵抗を感じます。そのような強引さは医学の世界では許されても、科学の世界では許されるものではないからです。

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