連載 『進行がんを眠らせる』 その239

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医学の基礎研究はまったく地味なもので、お金儲けとは縁遠く、体力のないところでは少しも成り立たない。そうして数十年かけたとしても、ものになるかどうかはわからないという特殊で不確実な世界です。

それでも、研究室の明かりを灯し続けてこられたのは、「先端の医療、最良の医療は、基礎研究の上にある」という江川先生の強い信念ゆえのことでしょう。

今日の日本の医療は、基礎と臨床の距離が近いようで遠く、基礎研究が実用化され、実際の医療の現場にデビューするまでに10年以上かかることも珍しくありません。

瀬田クリニックグループの功績の一つは、この距離を非常に短くしたことでしょう。また、現場の医師のレベルが高く、研究室の基礎研究の内容をきちんと理解していることも見逃せない点の一つです。

研究部門を併設する大学病院などでも、基礎と臨床がかならずしも一致しているとは限りません。民間の医療機関においてこれを成し得たことは、それだけでも十分異議のあることだと思います。

私自身、瀬田クリニックグループを中心とした患者会のメンバー(本書執筆時)ですから、どうしてもこのクリニックに肩入れしてしまう立場にあるわけですが、それを差し引いても、治療内容の質やレベル、安全性の高さが世界屈指のものであることに何の疑問ももち得ません。そして、この質やレベルを維持し、支えているのが、地道な基礎研究以外の何ものでもないこともよく理解しているつもりです。

 

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