連載 『進行がんを眠らせる』 その146

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初期のLAK療法が衰退した事情とは

臨床での応用例が増えるにしたがい、LAK療法の効果(指標となる統計的数値)は低くなっていきましたが、それでも20%以上の患者さんに腫瘍消失などの効果が見られました。ただ、この治療法には大きな問題点がありました。

それは、おそろしくお金がかかったことです。当時、インターロイキン2はいまほど簡単に入手できず、価格も高価でしたから、これを大量に使用すればかかる費用は青天井です。おそらく、コストパフォーマンス(費用対効果)があまりにも悪いと判断したのでしょう。NIHは、この療法の効果を疑問視する声明を出したのです。

一時はがんの制圧まで期待されたLAK療法でしたが、期待が大きかったぶん、マスコミによる報道の反作用がおそってきました。

研究費の予算がとれないという状況の中で、ローゼンバーグ博士自身も、LAK療法から遺伝子治療を核とする研究へ矛先を転換していきました。そうした影響もあって、これ以後、米国におけるLAK療法は衰退し、かわって日本においてその研究と成果が引き継がれる形になったのです。

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