連載 『進行がんを眠らせる』 その130

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がん細胞はマクロファージを取り込むことで2型ヘルパーT細胞(Th2)を活性化させますが、このTh2が生産するインターロイキン10は、キラーT細胞に阻害的にはたらき、結果として細胞性免疫を抑制します。このようにがん細胞は、攻撃にきた免疫細胞をとりこにして管理下に置き、みずからに有利な環境をつくらせるわけです。

次に、ガンマデルタ(γδ)形T細胞による免疫抑制について考えてみます。

γδ型T細胞は、その名のとおり、γδ型のT細胞受容体を細胞表面にもったTリンパ球です。リンパ球全体から見れば、ほとんど無視できるくらい数は少なく、組織適合抗原に非依存的にはたらきます(ちなみに、通常のキラーT細胞はαβ型です)。

このγδ型T細胞も、マクロファージ同様、通常はがん細胞を傷害する側にいるのですが、がん細胞の影響下において、T細胞の活性を抑制する方向にはたらく場合があることがわかってきました。

これは江川先生の研究によって確かめられたことですが、このことを確認するにいたった実験研究について次に紹介してみます。実験テーマは、「免疫抑制細胞(γδ型T細胞)を取り除いたら、がん細胞はどうなるか」といったところでしょうか。

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