連載 『進行がんを眠らせる』 その129

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敵を取り込み、味方につけてしまうがん細胞

前章でお話ししたとおり、マクロファージは、通常はがん細胞を傷害する側に属する免疫細胞です。活性化するとがん細胞を直接殺しますし、TNF(腫瘍壊死因子)やインターロイキン12などのサイトカインを生産して、キラーT細胞を中心とした細胞性免疫に貢献します。また、リンパ球への抗原提示もおこなっています。

ところが、がん細胞組織の周辺では、がん細胞がマクロファージを取り込んで、液性免疫を誘導するTGF-βなどのサイトカインをつくり出していることがわかってきました。

TGF-βは、NK細胞の活性を抑制し、がん細胞の栄養補給路である血管の新生を促進させます。また、がん患者さんの末期にみられる悪液質(全身の衰弱状態)を引き起こす主要因子でもあります。ほかにも、プロスタグランジン-E2というたんぱく質を生産させ、T細胞の活性を抑制します。

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