連載 『進行がんを眠らせる』 その127

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がん細胞といっても、もともと自分の(正常な)細胞だったわけですから、ほかの正常細胞と見分けるのはただでさえ難儀なことです(がん細胞に発現する抗原は多くありますが、正常細胞上にも発現されています。がん細胞にのみ発現する抗原はごくわずかです)。

がん細胞のエスケープ現象は、免疫系から見るとやっかいな問題の一つです。がん細胞に対して特異的に活性化するキラーT細胞も、がん細胞の表面から抗原が消えてしまったら、目標物を見失った誘導ミサイルのようなものになってしまいます。

もちろん、組織適合抗原ががん細胞の表面上からすべて消えてなくなるわけではなく、正確にいえば、減少するということです(実際には現れたり消えたりしているようです)。

インターフェロン-αやインターフェロン-γなどには組織適合抗原の発現を促す効果があり、その意味でも、がん細胞周辺でインターフェロン-γやTNF(腫瘍壊死因子)が多く生産される「細胞性免疫」の環境をつくることが非常に重要になります。

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