連載 『進行がんを眠らせる』 その86

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遺伝子は、みずからのゲノムに最初から親が子に教えるべき行為を情報として蓄えるよりも、生物体として機能するようになってから、その行動をとらせるほうが効率的であると判断した場合にのみ、親に対して「子どもに教えなさい」という行為のプログラミングをします。

また、遺伝子はみずからのコピーを存続させるために、できるかぎりの努力をする性質があります。そして、第三者には、それが意思のあるようにふるまっているかに見えます。

悪性新生物として、生体の共通の遺伝子ネットワークから外れて増殖を開始したがん細胞は、まったく新しい生物として遺伝子ネットワークを構築し、この遺伝子の習性を踏襲していくのです。

そして、生き残るために、その環境内においてバランスをとることを学んでいくようになります。

つまり、長い進化の過程で、バランスをとることを学んだ遺伝子、言い方を換えれば、環境に順応することを学んでいる遺伝子のみが生き残ってきているわけです。人間の遺伝子のほんの一部のみが変化したがん細胞は、当然その性質を踏襲していると考えたほうが自然ではないでしょうか。

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