連載 『進行がんを眠らせる』 その84

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彼らの遺伝子ネットワークは。女王アリがいなくなれば、新しい女王アリを新たに育て上げるだけになります。ここでも、環境の変化に対応して、アリの遺伝子ネットワークの共通の意思がはたらき、個々の生命体として活動しているわけです。アリは個体として、それぞれ一個の生命体として存在し、共通する遺伝子の意思のもとで、たがいにつながっているのです。

これを人間の細胞に置き換えてみましょう。切り傷などで細胞が傷つくと、患部周辺の免疫細胞が協力して傷の補修にかかります。どことなく、いなくなった女王アリの補填に似たようなところがあります。

細胞はたまたま、組織に接着して生存しているだけです。血液中を移動するリンパ球やマクロファージなどの免疫細胞を生体内で活動するバクテリアだと思えば、一つ一つが独立した生命体であることがわかります。

そして、細胞という個々の生命体の遺伝子ネットワークが協力してつくり上げているのが、集合体としての生物であるという見方もできるでしょう。これをがん細胞にあてはめると、面白いようにその性質が見えてきます。

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